Woodlyの素材は常に進化し続けています。
トランスペアレンシーとトレーサビリティは私たちの開発事業においてのコアバリューであり、製品の品質は国際品質基準に第三者の専門家により検証されています。
当社は、再生とリサイクル可能なプラスチックの未来の構築を目指しています。
Woodly®素材のライフサイクルアセスメントは、国際規格 ISO 14040およびISO 14044に基づいて行われています。これはWoodly®素材が環境へ与える影響や、根拠と事実に基づいた評価を保証するもので独立した第三者AFRY(旧称Pöyry)によって実施されています。
参照:LCA報告書(英語)
インパクトカテゴリ | 現状値 | 単位 |
---|---|---|
ゆりかごからゲート | ||
地球温暖化係数 (Co2の吸収含む) | -0,084 | kg -CO2eq |
オゾン層破壊物質 | 2,0E-08 | kg-R11-eqv. |
光化学オゾン生成ポテンシャル | 3,41 | g-ethene-eqv. |
富栄養化ポテンシャル | 2,09 | g-phosphate-eqv. |
酸性化ポテンシャル | 9,04 | g-SO2-eqv. |
海洋生態毒性ポテンシャル | 688 | Kg-DCB-eqv. |
人間毒性 ポテンシャル | 0,74 | Kg-DCB-eqv. |
化石燃料消費ポテンシャル | 53,5 | MJ |
微粒子物質形成 | 4,9 | g-PM10-eqv. |
ライフサイクルアセスメント(LCA)調査では、Woodly®素材の地球温暖化係数(GWP)がマイナスだと証明されています。GWPはカーボンフットプリントとして知られており、Woodly®の素材グレードがカーボンニュートラルであることを示しています。
(注)当社のLCAはWoodly®で製造された製品が必ずしもカーボンニュートラルであることを意味するものではありません。最終製品の製造工程で、CO2排出量を増やす工程が含まれる場合があります。
樹木は、大気から二酸化炭素(CO2)を吸収しています。森林から切り出された木を材料として使えば、木の中に貯蔵されている炭素が大気に放出されることはほとんどなく、長期にわたってCO2を材料中に固定することができます。Woodly®は製造工程で放出されるCO2よりも多く炭素を貯蔵したままWoodly®素材として使用されます。ちなみに、従来のプラスチックは製造工程で1㎏あたり約1.8~3.8㎏のCO2を発生します。
Woodlyのバイオベース炭素含有量は、放射性炭素分析で検証されています。Tuv Austriaの検証により、Woodlyはこの炭素含有量の2つ星認証を取得しています。この認証は、Woodly®素材グレードのすべてにおいて、炭素含有量が40%から60%であることを証明しています。今後は工場規模で利用できるバイオベースの成分が今以上に増えることが予想されているため、当社ではWoodly®材料グレードのバイオベースの含有量をさらに増やしていく予定です。(参照:Tuv Austria認証)
Woodly®の主原料は「森林認証」で認定された木材パルプです。森林認証は、適正に管理されている木材のみに与えられるもの。持続可能な森林から得られるセルロース原料を使用していることが分かります。
Woodly®製品はリサイクル(機械的加工・化学的加工)が可能です。機械的リサイクルでは、プラスチックは細断、洗浄、溶融、造粒されます。完成した米粒状の物質は、新しいプラスチックの原料として再利用されます。Woodly廃フィルムのリサイクル性をプラスチックのリサイクル業界をリードする技術・機器メーカーであるNext Generation Recyclingmaschinen GmbH(NGR)社が実証しています。
消費者やブランドオーナーは、プラスチックや包装がリサイクル可能かどうかという点も重視しています。基本的に、すべてのプラスチックはリサイクルが可能です。パッケージや製品が、プラスチックの単一材料でつくられている場合、機械的なリサイクルは比較的容易にできます。プラスチックが単一材料ではなく、混合や積層、変性、ブレンドされている場合は、化学的リサイクルのプロセスを行いながらリサイクルします。
リサイクルは、効率的な廃棄物収集の基盤、物流、分別、そしてリサイクルまでのプロセスを整えることで実現できます。同時に、リサイクルには再生プラスチックを使用してくれるユーザーの存在も欠かせません。これはプラスチックに関わらず、段ボールや金属、ガラスといったすべての材料にも当てはまります。
世界のリサイクル技術は、急速に発展しています。デポジット制度やデジタルマーカーといった廃棄物の収集や分別の取り組みは、以前より多く活用されています。また、プラスチックをリサイクルするプロセスは、市場のニーズを満たすため常に見直され、改善されています。
環境や社会において、新しい材料のイノベーションをメリットに繋げていくためには、スケールアップが必要となります。イノベーションの大きさや重要さに関わらず、市場に参入する以上は十分な量を確保していく必要があります。その一方で、新しいインフラを取り入れる場合、スケールアップの実現にはコストと時間がかかるケースが多く、大規模なインフラの建設は、環境にも負担をかけてしまう可能性もあります。
一方、Woodlyは、従来から使用していたプラスチックの製造ラインで容易に加工できるため、大きな市場規模に対応していくための新しい設備は必要ありません。Woodly製品はプラスチック業界のパートナーと提携することで、既存のインフラを活用しながら製品を展開していくことを可能にしました。